加工食品というと、どうしても固形の食品を想像してしまいます。しかし、実際は液体の加工食品もありますし、粉末の加工商品もあります。食品に塗ったり添付したりして楽しむ加工食品もあります。つまり調味料です。
そこで今回は立派な加工食品である調味料と、さらに甘味料などを用いて作られる菓子類について考えていきたいと思います。
加工食品とはそもそも、食品を加工するプロセスを通じて、
といった狙いを持っています。そう考えると調味料は特定の食品を加工して、機能性を高め、味を高め、保存性を高め、利便性を高めた立派な加工食品だといえます。あまりにも加工のプロセスが複雑なので原形をとどめていませんが、どの調味料にも必ず原料となる食品があり、その食品を加工して作っているのです。
例えば調味料の代表例がソースです。ソースは茶色い液体なので食品という印象がかなり薄いですが、実際はトマト、ニンジン、タマネギ、セロリ、ニンニクなどの野菜や果実を使って作られています。
以上のようなプロセスを踏んでソースができあがります。最終的には単なる液体になっていますが、最初は形をもった野菜から作られているのです。
甘味料の代表は砂糖です。砂糖はお菓子作りに欠かせませんが、砂糖は単なる粉末なので間違っても食品には見えません。しかし、実際はサトウキビなどから作られている立派な加工食品です。
厳密にいえばもっと細かい作業があるのですが、以上のようなプロセスを経て砂糖を作ります。サトウキビという植物を加工して砂糖という食品に作り変えるので、立派な加工食品になります。
香辛料も加工食品です。唐辛子は原形をイメージしやすいので食品というイメージがありますが、バニラなどはいかがでしょうか? 菓子類にも使われるバニラですが、バニラも立派な加工食品です。バニラとはラン科のつる性植物の果実を発酵・乾燥させ、粉末にした食品です。甘みがあり香りがいいので、アイスクリームや洋菓子などの加工食品に利用されます。
バニラに似た香辛料としてシナモンがありますが、シナモンもクスノキ科の常緑樹の樹皮や根っこ、葉っぱを乾燥させた加工食品になります。同じく洋菓子やカレー、ソース、カプチーノなどに使われます。
以上が加工食品としての調味料です。その調味料は洋菓子などに利用され、新たな加工食品を生む材料になっています。加工食品が新しい加工食品を生み、その加工食品がさらに新しい加工食品を生むのです。まさに人類の歴史と共に発展してきた加工食品の特徴を余す所なく兼ね備えた、最も加工食品らしい加工食品が調味料なのです。